霧化分離は、沸騰させることなく、食品成分の濃縮・抽出が可能です。
熱に弱い食品・食材の濃縮・抽出にも適しています。
ジュース、醤油、エキス、糖類、シロップ、アミノ酸、食酢、酒類などを加熱しなくても濃縮・抽出できるため、品質を損なわないが可能です。
※50~60℃に加熱すれば濃縮効率が上がりますので、実際には50℃程度で運転されるケースが多いです。
霧化分離・濃縮の仕組み
液体に超音波を照射するとミスト化します(ネブライザーや超音波加湿器と同じ原理です)。
物質によってミスト化しやすいものとミスト化しにくいものがあることや、ミストにおいては物質同士が(液体同様に)固まって存在することを利用し、分離・濃縮・抽出する仕組みです。
シイタケエキスの濃縮の例
霧化分離装置で、熱に弱いシイタケのうまみ成分を壊すことなくシイタケエキスを濃縮できます。
生シイタケの生産量が全国一の徳島県では、シイタケの軸の部分の有効利用が課題となっており、シイタケの軸に含まれるエキスを効率的に濃縮する方法が生産者から求められていました。
他の食材が加熱により水分を飛ばすエキス濃縮方法が可能な中、シイタケに限っては、加熱する濃縮方法では、肝心のうまみ成分が壊されてしまうのです。さらに、中国から輸入されるシイタケエキスの価格に対抗するコスト面での難しさもありました。
超音波霧化分離を利用した専用装置では、加熱が不要なためうまみ成分が損なわれることなく、コスト面でも中国産シイタケエキスに対抗できます。
【 超音波霧化分離によるシイタケエキス濃縮のポイント 】
- 加熱しなくても濃縮できるため品質を損ないにくい
- 20~30倍の濃縮エキスを製造可能
- 液体処理能力は1日あたり300リットル程度
- これまでの類似技術(蒸留法・蒸発法・RO膜法)に比べて、分離に要するエネルギーコストを大幅に削減できる。
シイタケエキスの超音波霧化分離が日本経済新聞に紹介されました。
» 日本経済新聞[電子版] | ナノミスト、シイタケエキスを超音波使い濃縮
» 日本経済新聞[電子版] | ナノミスト、シイタケエキスを超音波使い濃縮
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